院長コラム
2025年11月
変形性膝関節症について
変形性膝関節症は、加齢や体重などの影響により膝の軟骨が減少し、骨、関節が変形する疾患です。立つ、歩くことや階段の上り下りで痛みがあり、日常生活に影響を及ぼします。しかし、一概に、「変形しているから痛い」とも限りません。筋肉の硬さや筋力低下、痛みをかばう姿勢や歩き方によって膝へのストレスが過度に加わり、膝関節の機能低下を引き起こします。この機能低下が原因となっている痛みもしばしば見られます。
一般的な治療として、まずは保存療法が選択され、医師による消炎鎮痛剤の処方や関節内注射などが行われ、炎症を抑え、痛みの緩和を図ります。
われわれ理学療法士は、運動療法などを行うことで、膝関節周囲の筋力や柔軟性、立つ、歩くといった動作の機能改善を図ります。膝関節機能が高まると、膝へのストレスが減少し、変形や症状の進行を遅らせることや、痛みの軽減につながります。
手術療法以外では、骨の変形を治すことはできませんが、保存療法で大事なことは、筋力強化や柔軟性の向上、体重を減らすことでなるべく膝関節への負担を減らし、長持ちさせることです。
気になる症状がある場合は、お早めに医療機関を受診し、医師の診断を受けることをお勧めします。