院長コラム
2024年9月
メノポハンドとは?
メノポハンドとは、更年期の女性に多い手の変形や指の痛みやしびれといった症状のことをいいます。
具体的な病名としては、腱鞘炎やドケルバン病、変形性関節症(へバーデン結節やブシャール結節、母指CM関節症)、手根管症候群などが挙げられ、整形外科を受診しても使い過ぎや加齢のせいといわれてきました。しかし最近では、40歳以降の更年期に体内の女性ホルモンであるエストロゲンが減ることにより手指の関節や腱の周囲の滑膜という組織に炎症が起き、これらの病気の引き金となっているのではないかといわれています。また、授乳期も体内のエストロゲン値が急速に低下するため発症しやすくなります。
メノポハンドの治療法としては、ホルモン補充療法(HRT)や女性ホルモンに類似した作用があるエクオールの摂取があります。エクオールは、大豆イソフラボンの腸内細菌による代謝物ですが、エクオールを作れない方が多いためサプリメントで補う必要があります。
エクオールで効果が十分でない場合は、内服や外用薬の使用、装具療法を行い、手術が必要となる場合もあります。手の痛みやしびれのある時は、手の治療を行っている病院への早期の受診をお勧めします。