院長コラム
2024年5月
手指の関節が痛む時は?
手指の関節が痛む病気として多いものに変形性関節症があります。指の一番先の関節が痛み変形を伴うものはヘバーデン結節としてよく知られています。指が痛くても我慢している方も多く、病院へ行かれても「年のせい、治らない」と言われ積極的に治療が行われていない場合もあります。確かにこの病気を完治させる治療はありませんが、手指の痛みを軽減し使いやすくする治療はあります。薬物療法としては消炎鎮痛薬の内服や外用薬の使用、症状が長引く場合はデュロキセチンという体の痛みを抑える働きを強くする薬の使用や体質を改善する漢方薬の使用などがあります。また、女性ホルモンと同様の作用を持つエクオールが手指の関節の腫れや痛みに効果があることが報告されています。テーピングや装具で痛い関節の固定安静を行うことも効果がありますし、物理療法や作業療法士による運動療法や関節保護指導も痛みの治療として効果があるといわれています。手指の痛みや腫れがある場合は、手の治療を行っている病院での正確な診断や治療を受けてください。