院長コラム

2024年3月

坐骨神経痛について

坐骨神経痛とは、腰椎から大腿にかけて走行する坐骨神経がさまざまな原因によって圧迫・刺激されることで引き起こす痛みや痺れのことを指し、病名ではなく症状の一つです。その原因となる病気はさまざまで、多くは腰椎の部分で神経が障害されたもので、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎変性すべり症、腰部脊柱管狭窄症などが挙げられます。また、腰部に異常はなく坐骨神経が臀部にある梨状筋によって圧迫され症状が出現する梨状筋症候群や、まれに帯状疱疹や腫瘍が原因となる場合もあります。

治療としては、腫瘍などを除き整形外科領域では保存的治療が基本となります。内容は、非ステロイド性消炎鎮痛薬などを服用する薬物療法、神経やその周辺組織に局所麻酔薬などを使用する神経ブロック療法などがあります。また、筋肉や神経、軟部組織に対する運動療法を行うリハビリテーションも有効です。痛みがコントロールできない場合や膀胱、直腸障害が出現する場合は手術が検討されます。

坐骨神経痛の予防や改善には、生活習慣を見直すことも重要です。正しい姿勢の保持、座り過ぎや冷えを防ぐこと、体重管理、運動の習慣化を心がけ、少しでも不安な症状があれば気軽に医療機関を受診することをお勧めします。

院長コラム一覧へ戻る