院長コラム

2023年3月

手の手術後の回復について

手術をしたらすぐに良くなる、と考えられている方も多いかもしれませんが、実際はその人の病状や状況により回復にかかる時間には個人差があります。

ではどのような人が手の手術後の回復が遅いのでしょうか。最初の症状が出てから手術までの期間が長い方、手術前の手の動きが悪い方、糖尿病などの炎症が起きやすい疾患にかかっている方、ステロイドの注射を何回も受けている方などが挙げられます。また、手根管症候群や肘部(ちゅうぶ)管症候群などのような圧迫された神経の手術の場合は、手術の目的は神経の圧迫を取り除き神経の回復を促すことですので、手術後の回復は、神経の自然回復力によります。神経は損傷した部位から1日1ミリの速度で神経が再生するため指先から10センチ離れた部位の損傷では回復に 約100日を要します。手術後にどの程度良くなるかは、術前の病気の程度が最も関連していることが分かっており、あまり我慢し続けると、回復が遅くなったり、最後まで回復が得られない場合もあります。

手の痛みやしびれ、動きが悪いなどの症状がある場合は、できるだけ早い時期に手の治療を行っている病院への受診をお勧めします。

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