院長コラム

2023年1月

変形性膝関節症について

変形性膝関節症の主な症状は、膝の痛みや関節の腫脹(しゅちょう)、膝が動きにくくなることです。初期では、立ち上がりや歩き始めなどの動作開始時に膝の痛みが見られますが、症状が進行していくと膝の変形が目立つようになり、正座や階段昇降が困難となる場合があります。男女比では1:4で女性に多く、高齢になるにつれて罹患(りかん)率が高くなります。治療としては、消炎鎮痛薬や外用薬の使用、膝関節内にヒアルロン酸の注射を行います。併せてリハビリテーションによる膝の動きを良くする訓練やお尻周りや太ももの筋力トレーニングなどの運動療法を行うことが効果的です。変形性膝関節症の発症と進行には、過体重、体脂肪率、筋力低下、骨密度低下などが関連するといわれています。発症後は基本的な考えとして、膝をなるべく長持ちさせるような関わりが必要です。そのためには、適切な体重コントロールや膝関節可動域の維持、下肢筋力の強化や筋量の維持が重要となります。医療用の体組成計を使用し、体重や体脂肪量、筋量の変化を経時的に見ながら運動療法を行うこともできます。

膝に関して、少しでも気になる症状がある方は早めに医療機関を受診し、適切な治療を行うことをお勧めします。

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