院長コラム

2022年11月

手のしびれが長引く時は?

長引く手のしびれの原因はさまざまです。中でも手根管症候群は、手のしびれの原因として非常に多い病気の一つです。何らかの原因で手首にある手根管というトンネル内で正中神経が圧迫されることにより生じます。症状としては、手のひらや親指から環指にしびれ、痛みが出現します。進行例では親指の付け根の筋肉が痩せ、親指と人さし指で丸が作れなくなり、物がつまみにくくなって日常生活で支障を来すようになります。初期の治療としては、消炎鎮痛薬やビタミンB12の内服、外用薬の使用、装具による手首の固定、手根管内へのステロイド薬の注射などがありますが、保存治療を行っても症状が良くならない場合や親指の付け根の筋肉がすでに痩せている、神経伝導速度が低下している場合には手術が必要になります。関節鏡を使用する手術は、1センチ程度の切開で済み、所要時間も15~30分程度と短く、日帰りで行うことが可能であり、術後の痛みが少なく早期の社会復帰が可能という大きな利点があります。手のしびれを放置すると、完全な回復が得られない場合もあります。手のしびれが続いた時は、できるだけ早めに手の治療を行っている病院の受診をお勧めします。

院長コラム一覧へ戻る