院長コラム
2022年03月
小指がしびれたときは
小指がしびれる病気に肘部管(ちゅうぶかん)症候群があります。肘部管症候群は、何らかの原因で肘の内側の尺骨神経が圧迫され、小指や薬指にしびれが生じ、手が使いにくくなる病気です。
原因としては、野球や柔道などの肘をよく曲げ伸ばしするスポーツ、長時間肘を屈曲する作業、過去の骨折や加齢、使い過ぎによる肘の変形、尺骨神経の脱臼、ガングリオンなどの腫瘍、関節リウマチ、筋肉による圧迫などがあります。病状が進行するに伴い、手の筋肉が痩せてきて、小指と薬指が伸ばせなくなり、物がつまみづらい、箸が使いづらい、握力が低下するなどの症状が出てきます。
治療としては、症状がしびれのみの場合は、まず薬物療法や装具などを使った肘の安静を行います。それでも症状が良くならない場合や検査ですでにまひが進行し重症の場合は、手術が必要となります。尺骨神経は、回復しにくい神経のため、適切な時期に手術を行わないと、手術後も回復に時間がかかったり十分に回復しない場合もあります。
小指のしびれが続く場合は、できるだけ早期に手の治療を行っている病院の受診をお勧めします。