院長コラム
2021年11月
手のしびれを放置しないで!
手のしびれを生じる病気として代表的なものに手根管症候群があります。この病気は何らかの原因で手首にある手根管というトンネル内で正中神経が圧迫されることにより生じます。多くは原因不明であり、更年期以降の女性に多く発生します。しびれが一時的で改善する方もいますが、手のしびれを放置すると、親指から薬指の半分(親指側)の感覚が鈍くなり、ボタンを掛けたり、財布からお金を出したりがしづらくなります。また病気が進行すると痛みや熱さが分からなくなり、けがややけどの危険性も出てきます。さらに親指の付け根の筋肉が痩せてきて、親指と人さし指で円が作れなくなったり、物がつまみにくくなります。
患者さんの中には、手がしびれているけど、日常生活で大して困っていないからと、様子を見ている方も結構多くいらっしゃいます。これは、病気がゆっくりと進行するため、実際には手の機能が落ちているのに、その状態に慣れてしまい気付かなくなっています。手根管症候群は治療が遅れるとしびれや手の運動障害が残ってしまうこともありますので、手のしびれが続いたときは、できるだけ早めに手の治療を行っている病院の受診をお勧めします。