院長コラム

2021年07月

母指CM関節症の治療について

母指CM関節症は、親指の付け根にある関節に腫れや痛みを生じ、次第に変形を伴う変形性関節症です。症状が進行すると関節の亜脱臼や骨棘(こつきょく)によって、親指の付け根が出っ張ってきます。日常生活では、瓶のふたを開けたり、小さな物をつまんだりすることがやりづらくなります。原因としては、加齢や母指の酷使、骨折や脱臼などの外傷歴、女性ホルモンの影響などが挙げられます。

保存的治療としては、消炎鎮痛薬の内服や外用薬の使用、症状が長引く場合はデュロキセチンという体の痛みを抑える働きを強くする薬の使用や漢方薬の使用などがあります。また、女性ホルモン様の作用を持つエクオールも腫れや痛みに効果があると報告されています。装具で関節の固定安静を行うことも効果があり、物理療法やハンドセラピストによる運動療法、関節保護指導も痛みの治療として効果があるといわれています。

保存的治療を行ってもなかなか痛みが改善しない場合や日常生活に支障を来す場合は、関節固定術や関節形成術などの手術療法が必要な場合もあります。

親指の付け根の痛みや腫れがある場合は、手の治療を行っている病院での正確な診断や治療を受けることが必要です。

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