院長コラム

2021年01月

へバーデン結節の治療について

へバーデン結節は、手指の末節の関節(DIP関節)に腫れや痛みを生じ、次第に変形を伴う変形性関節症です。残念ながらすり減った軟骨や骨の変形を完全に元通りにするような治療はありませんが、痛みを取り、手を使いやすくする治療はあります。

へバーデン結節は、保存的治療が基本ですが、薬物療法としては消炎鎮痛薬の内服や外用薬の使用、症状が長引く場合はデュロキセチンという体の痛みを抑える働きを強くする薬の使用、体質を改善する漢方薬の使用などがあります。最近、女性ホルモン様の作用を持つエクオールがヘバーデン結節の腫れや痛みに効果があることが報告されています。テーピングや装具で痛い関節の固定安静を行うことも効果があります。また、物理療法やハンドセラピストによる運動療法、関節保護指導も痛みの治療として効果があるといわれています。

保存的治療を行ってもなかなか痛みが改善しない場合や手の使いにくさを伴う変形を生じた場合は、関節固定術や関節形成術などの手術療法が必要な場合もあります。手指の痛みや腫れがある場合は、手の治療を行っている病院での正確な診断や治療を受けることが必要です。

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