院長コラム
2020年11月
手のしびれについて
手のしびれは、脳、脊椎、末梢(まっしょう)神経、内科の病気が原因で起こることがほとんどです。
脳梗塞などの脳血管障害では、しびれは突然起こり片側の手足に生じることが多く上下肢のほかに口の周りなどがしびれる場合もあり、速やかに脳外科への受診が必要です。手から上肢や肩までがしびれている場合や両手がしびれる場合は、脊椎に原因がある変形性頸(けい)椎(つい)症や頸椎椎間板ヘルニアなどが疑われます。末梢神経が原因のものとしては、手のしびれる場所により、親指・人さし指・中指と薬指の親指側半分だけがしびれている場合は正中神経の障害と考えられ、手根管症候群が最も疑われます。初期や軽症のときは、人さし指と中指だけがしびれることもあります。小指と人さし指の小指側半分がしびれる場合は、尺骨神経の障害で肘部管(ちゅうぶかん)症候群が最も疑われます。親指・人さし指・中指の手の甲側がしびれて手首や指が背屈しにくくなる場合は、橈(とう)骨(こつ)神経まひが最も疑われます。両手足がしびれる場合には、糖尿病性神経障害や末梢神経の変性疾患などが考えられます。
いずれにしても長い期間治らないしびれや徐々に悪化しているしびれなどは、放置せずに早めに受診して原因を調べ、適切な治療を受けてください。