院長コラム

2020年9月

肘部管症候群とは?

肘部管(ちゅうぶかん)症候群は、何らかの原因で肘の内側で尺骨(しゃっこつ)神経が圧迫され、小指や薬指がしびれたり手が使いにくくなる病気です。

原因としては、過去の骨折による肘の変形、野球や柔道などの肘をよく曲げ伸ばしするスポーツ、長時間肘を屈曲する車の運転、加齢や使い過ぎによる肘の変形、尺骨神経の脱臼、腫瘍(ガングリオン、神経線維腫、神経鞘腫(しょうしゅ)など)、関節リウマチ、滑車上肘筋による圧迫などがあります。まひが進行するに伴い、手の筋肉が痩せてきたり、小指と薬指が伸ばせなくなったり、物がつまみづらい、箸が使いづらい、握力が低下するなどの症状が出てきます。

治療としては、症状がしびれのみの場合は、まず薬物療法や装具などを使った肘の安静を行います。それでも症状が良くならない場合やまひが進行しているときは手術療法を行います。すでにまひになった状態で病院を受診される方も多く、まひの状態が長い場合は、尺骨神経は回復の遅い神経であるため、手術後も回復に時間がかかったり十分に回復しない場合もあります。

小指のしびれが続く場合は、できるだけ早期に手の治療を行っている病院の受診をお勧めします。

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