院長コラム
2020年3月
手の拘縮とは?
手の拘縮とは、手指の関節や手首の関節の動きが悪くなった状態のことです。その原因の多くは。けがによるものです。その他の原因としては、神経麻痺によるものや炎症性のもの、先天性のもの、デュプイトラン拘縮などがあります。けがにより手に腫れが起こり、組織の線維化や血流障害が起き、組織の瘢痕化や腱の癒着により関節の動きが悪くなります。手は狭い範囲に腱、神経、血管、骨、関節などが密に存在しているため拘縮が生じやすい場所です。拘縮の予防としては、痛めた手の挙上や軽度の圧迫包帯、痛みの緩和、そして適切な初期治療が挙げられます。治療としては、腫れを軽減させるための薬物療法や物理療法、関節の動きを改善させるためのリハビリ療法や装具療法が必要となります。それでも手の良い動きが得られない場合は、手術療法が必要となることもあります。しかし手の拘縮の治療は困難であることも多いため、手の拘縮はつくらないことが大事であり、手が腫れているときや動きが悪いときは、自己判断で放置せずに早期に手の治療を行っている病院への受診をお勧めします。