院長コラム

2019年03月

へバーデン結節とは

へバーデン結節は、手指の末節の関節(DIP関節)に生じ、骨棘(こつきょく)、骨性隆起と関節裂隙(れつげき)の狭小および関節の変形を伴います。よくリウマチを心配される方がいますが、多くが変形性関節症です。原因は不明であり、一般に40代以降の女性で、人さし指と中指に好発します。発生は加齢とともに増加します。遺伝性ははっきりしていませんが、母娘、姉妹間では高率に認められています。

DIP関節の背側には、粘液嚢腫(のうしゅ)という腫瘤(しゅりゅう)ができることがありますが、この腫瘤は関節と連絡しているため、むやみに針を刺したりつぶしたりすると細菌感染が関節内に及び化膿(かのう)性関節炎を起こす危険性があります。

残念ながら指を元通りにする治療はありませんが、痛みを改善し手を使いやすくする治療法はあります。痛みや変形がひどくなり、内服や外用薬の使用、テーピングなどの安静でも改善しない場合や粘液嚢腫が生じた場合には手術の適応となります。手術の方法としては、DIP関節の固定術が従来行われてきた手術であり、痛みを取る効果があります。DIP関節が動いた方がよい方には、関節形成術という方法もあります。

手指関節の痛みが強い場合や、腫瘤ができた場合は、手の手術を専門に行っている医師の受診をお勧めします。

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