院長コラム

2018年11月

ばね指とは?

ばね指とは、手指が腱鞘(けんしょう)炎になることにより指を曲げる腱と腱鞘(腱の通るトンネル)の間で炎症が起き、進行すると腱と腱鞘が腫れ、腱の通りが悪くなり指の屈伸で引っ掛かりと痛みを生じるようになった状態です。

腱鞘炎は更年期の女性に起きることが多く、他に出産前後や糖尿病、透析患者さんにも生じることがあります。母指、中指、環指(薬指)に多く生じます。

保存的治療として、症状が起きてからの期間が短い方は局所の安静や消炎鎮痛剤、外用薬の使用、装具などによる一時的固定を行います。痛みが強い場合や指の動きが悪い場合は、ステロイド剤の腱鞘内注射を行います。腱鞘内注射は打ち過ぎると腱が傷んできて腱が断裂する可能性もあります。2、3回注射しても治らない場合や症状が長く続いている場合は、腱鞘を広げる手術を行います。手術は、局所麻酔下にて短時間で終わり、日帰り手術が可能です。術後、手指の動きが悪い方はリハビリにて可動域訓練を行います。

ばね指の状態が長く続くと次第に指の動きが悪くなり、手の機能に障害をもたらすこともあるので、ばね指になった場合はできるだけ早期に専門の医師を受診されることをお勧めします。

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