院長コラム
2018年09月
手のしびれ、諦めないで
手のしびれの原因としては①手根管症候群や肘(ちゅう)部管症候群などの末梢(まっしょう)神経の圧迫によるもの②頸椎(けいつい)での神経障害③糖尿病や循環障害によるもの、などがあります。
その中でも手のしびれの原因として多いものに手根管症候群があります。この病気は正中神経が手首にある毛根管というトンネル内で圧迫されることにより生じます。原因としては不明なものが多く、妊娠・出産期や更年期の女性に多く生じるのが特徴です。その他、骨折などのけが、仕事やスポーツでの手の使い過ぎ、透析をしている人などに生じます。
症状としては、親指から薬指にかけてしびれる(小指はしびれない)という特徴があります。また、症状が進むと特に夜間、早朝に強いしびれを生じ、親指の付け根の筋肉が痩せてきて、ボタンを掛ける、つまむなどの指先の細かい動作が困難になってきます。
治療には、消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬、外用薬、シーネ固定、手根管内注射などの保存的治療がありますが、症状が悪化すると手術が必要となります。しかし適切な時期に手術を行えば治癒する病気であり、整形外科を受診されていても首からのしびれと診断されて治療が遅れることもあるため、この病気が疑われた場合は、早めに専門の医師の受診をお勧めします。