院長コラム

2024年1月

ばね指は放置してもよいのか?

使い過ぎなどの原因で指を曲げる腱(けん)と腱鞘(けんしょう)(腱の通るトンネル)の間で炎症が起きると、腱鞘炎となります。続いて腱鞘が腫れて厚くなり、腱の一部も腫れてこぶ状になり、腱鞘内を通過する際に引っかかるようになると、ばね指となります。指のスムーズな動きができなくなり、ひどくなると指が引っかかったまま伸びなくなったり曲がらなくなったりします。

ばね指の保存的治療としては、手指の安静や消炎鎮痛剤、外用薬の使用、装具などによる一時的な固定があります。症状によっては、ステロイド剤の腱鞘内注射を行いますが、頻回の注射により腱の断裂や感染の可能性もあり、2~3回注射をしても治らない場合は、腱鞘の一部を切開する手術を行います。手術自体は、1cm程度の切開で済み、所要時間も10分程度です。ばね指の状態が長く続くと指の先から2番目の関節(PIP関節)の動きが悪くなり他の指の動きにも影響が出て握り込みができなくなり、握力も低下します。また、PIP関節の変形性関節症の原因になる可能性もあり、手術を行っても十分に良くならないこともあります。ばね指になった場合は、できるだけ早く治療を受けられることをお勧めします。

院長コラム一覧へ戻る