院長コラム

2023年11月

腰痛について

厚生労働省が公表している2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況において、病気やけが等で自覚症状のある方の人口千人当たりの割合(有訴者率)は男女ともに腰痛が第1位となっています。腰痛の原因は主に、脊椎由来、神経由来、内臓由来、血管由来、心因性に分類されます。

整形外科領域では、主に脊椎由来である腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症、背椎変性すべり症などが治療対象となります。治療としては、外来診療でのトリガーポイント注射やブロック注射、外用薬や内服薬の処方に加え、リハビリテーションも有効となります。

リハビリテーションでは、運動療法や物理療法などを行い、体幹筋力や筋肉の硬さ、下肢のしびれなどにアプローチしていき、痛みや動きにくさの改善、歩行能力の向上を図ります。また、腰痛は再発することも多く、日頃から予防していくことも重要といわれています。

腰痛は、その原因が必ずしも脊椎由来とは限りません。場合によっては腰痛に隠された重篤な病気が疑われることもあります。また、脊椎由来であっても症状によっては手術適応となる場合があります。腰痛や下肢のしびれなどの症状がある場合は、お早めに医療機関を受診することをお勧めします。

理学療法士 西森 裕祐

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